協同性は日常生活から

2024年02月08日

 年少さんの保育室前を通りかかると、ちょうど机や椅子をだして、活動の準備をするタイミングでした。

 本園の机や椅子は特徴的で机は特注品です。こだわりは、「子どもたち自身で、運び準備が出来る事」なんです。
幼児期に育むべき力として、非認知能力が取り沙汰されていますが、EQとおきかえてもいいかもしれません。

非認知能力の一つに「協同性」があります。
この力を育むにも、幼児期の過ごし方や生活がポイントとなります。
 急にみんなで、「一つの目的に向かってみんなで協力しましょう!」と言っても子どもたちは戸惑うばかりです。そして、「あなたはこんな風に動きましょう」だとか「今、こんな風に発言しましょう」なんて教え込んでも、逆効果です。 自分んで考える力が育まれません。

 ちょっと注目したいのが、日常生活を大切に過ごすことです。年少さんの3学期ともなると、幼稚園生活にも慣れ、毎日のルーティンは主体的に取り組むことが出来るまでに成長しています。
 この時期から、年少さんは自分の机や椅子も自分たちで運び準備をします。
 もちろん怪我をしないように、先生方は椅子の持ち方や、机の持つ位置や運び方といった約束事を事前に子どもたちにお話をしています。そして、先生が見守るなかゆっくりと丁寧に準備をします。その中で相手が困っていたり、人に迷惑を掛けないように、危なくないようになどなど、その日その日で状況は変わります。
 その経験が、臨機応変に対応する力や考える力や相手のことを考え思いやり行動する思考が育まれる経験へとつながります。
また、共通の「きちんと机を並べる」という目的に向けて考えたり、工夫したり、協力し達成できると、とても充実感を味わう事にもなります。
小さな事かもしれませんが、先生が準備した机や椅子に座るのは、受動態で受け身ですね。
今まで、先生にやってもらていたことが、自分でできる喜び、常に能動的に物事に関わってほしいとも考えています。

子育ての中でも、なんでも親がやってしまうではなく
子ども自身が自分は何が出来るだろう?
自分の役割を考えられるそんな場面を是非作ってあげてください。
そして、最後には笑顔とともに
「Good Job !!」 これが大切です。


 
 

幼稚園のおはなし

このページの先頭へ

あそびを通して育む人間力

2023年10月24日

 本園は園外保育という名称で遠足に年間7回出かけます。出かける先は毎年様々ですが、大泉緑地公園は毎年定番の行先です。
 この大きな公園内では,いろいろな種類のどんぐりが拾えたり、虫とりができたり、カブトムシの幼虫まで探すことが出来ます。
 ピカピカのどんぐりを見つけて、心トキメク子どもたち。それだけで、その場所から動いてくれなくなります。
 そして、毎年面白いのが「ザリガニ釣り」です。なぜ面白いかというと、それぞれの子どもの性格が明確に出るからです。
「できないできない! どこにザリガニがいるの!」と人に頼ってばかりの子ども。よく見て、よく考え「む〜〜〜〜っと」ザリガニが出てくるまでじっと我慢する子。その釣れたのを見て、すぐに場所がえをする子。ザリガニが餌を掴むやいなや慌ててしまう子などなど。
 じっくりと子どもを観察していると、背景に普段の生活の様子が見えてきます。何でも簡単に努力せず願いを叶えてもらっている子は、我慢強く頑張れない。そして、考える、試行錯誤することができない傾向が強いですね。そして、今日釣れなかったことを残念がりながらブツブツ独り言。
 その囁きを聞いていると「〇〇君が先に釣ったからだ!」とか「〇〇ちゃんが〜〜してくれなかったから」と全て他人のせいにしているひとりごと。
 もしも、ご家庭でそんなつぶやきを聞いたならどうしますか?是非きちんと伝えてあげてください。
「条件はみんな一緒」「自分のどこがダメだったのか、どんな工夫を友達はしていたのかを考えるべきだよ」って。
いつでも、どんな時でも自分を客観的に見る、振り返る癖づけをしてあげましょう。
 その積み重ねが、強固な人間力を育てますよ。

 
 

幼稚園のおはなし

このページの先頭へ

帝塚山幼稚園 園長

帝塚山幼稚園 園長

田中 幸枝

明るく元気で、好奇心旺盛。スーツを着て園内で過ごすことが最も苦手。「感動体験」をモットーとした幼児教育を行っている。「食育インストラクター」「ブレッドライセンス」「小型船舶1級」といった資格を所有し、自ら現場に出て園児の指導に当たっている。

[趣味]

アウトドア色々・・・
夏は海でシーカヤック・キャンプ、冬は冬山でバックカントリー・スキー

[特技]

料理、アウトドア料理、野菜作り、簡単DIY

2024年11月

次のページ