左のおかあさんの着物は私の母のものである。戦中戦後いろいろな時をこの着物とともに生きてきた。着物は前掛けにつくりかえられ、それもところどころつぎがあたっている。そんな思い出のいっぱいつまった前掛けを10年程前にもらってしまっていた。それを形になって表現できた。同じ時代を共有する人によろこんでもらった。あねさんかぶりのてぬぐいも、もんぺもひっぱりもみな初めてで、森南海子さんの本を参考にした。髪の毛はさざえさんのようにしてある。おくるみは昔こんなふうだったような記憶がある。

たんぼのあぜみちで、ふとおかあさんが手をやすめてこどもをあやしているというところである。

    (15cm)

 

男の子の着物は端切れを手にしたときにイメージがわいた。ちょうどうまくいったとおもう。人形の着物は柄が大きくてはよくない、バランスだとおもう。

顔の作りかたであるが、粘土を丸めた時点で顔のむきが決まり、首にさしこんだ時点で男か女がきまり、それに耳と鼻をつけ、目と口を描くが、面相筆で、ルーペで見ながら慎重に描く。やり直しはしない。

何時作るかというと、残業がすんで10時ごろから夜中にかけてである。結構5、6時間で完成させる。気をいれてつくりあげてしまうやりかたである。

        

 

写真にとってみるとそれらしい雰囲気がでているものができあがる。デジカメの場合すぐに写真が選べるのでいい。

お母さんの着物は少し地味だが裏地を赤にした。女の子のまげもだんだん失敗しないようになった。お母さんの髪は桃割れなので既婚者にはちょっとおかしい。昔は髪型で未婚か既婚かわかったのは面白い。  (20cm)

 

 

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