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体幹を鍛えよう!

  • 園長コラム
  • Vol.54
 新型コロナウイルス感染症の流行も終息へ向かおうとしています。コロナ禍の子どもたちの生活は、戸外へ出てのびのびと遊ぶことが制限されていたのではないかと想像します。また、コロナ禍以前から子どもたちの様子を見ていて、運動不足や体のバランスの悪さを感じる場面が多々ありました。それは、「体幹」が育っていないことが原因だと思われます。
 よく耳にする「体幹」ですが、具体的には首から上、腕、足を除いた部分のことを示します。日常的に体を動かすことが少なくなった子どもたちは、体幹が弱くなってしまっているようです。体幹の弱い子どもの特徴は、姿勢が悪い・集中力が続かない・椅子に座っていてもすぐに姿勢が悪くなる・テレビや絵本を読んでいてもすぐに横になる・よく転ぶ・疲れやすく友達と同じように遊べない・立ったまま靴を履けない・ボールを遠くに投げられない、など様々です。これらは、すべて体幹が弱いことが原因と言えます。
 そもそも昔の子どもたちの遊びは、鬼ごっこで走り回る、公園のジャングルジムをよじ登る、木に登る、高いところからジャンプして飛び降りるなど。子どもたちだけで遊んでいた頃は特に危険なことを制止する大人もいないため、好き勝手に遊び、自然に体幹が鍛えられていたのです。だからといって、今急に高いところからジャンプをさせると怪我をするだけです。実際に、最近の子どもたちは顔に怪我をすることがしばしばあります。手をつけないからだと指摘されていますが、体幹が育っていなければ急に手をつくことはできませんし、手をつけたとしても体幹が弱いため支えられず顔を強打してしまうようです。実際に雑巾掛けで体を支えられず、顔や歯を打つことも珍しくありません。
 子どもの体幹の育ちは赤ちゃんのハイハイの時期から始まっています。ハイハイの時期は過ぎたからもう手遅れということはなく、今からでも鍛えるに越したことはありません。トランポリンや体幹トレーニンググッズはいろいろありますが、遊びながら自宅で簡単に!が一番ですね。例えば、ハイハイの進化系、お尻をあげて四つん這いでクマ歩きや、クマ歩きの姿勢で雑巾掛け。初めは親が見守るなかでゆっくりと。そして、V字バランスや縄跳び。本園では、年少組の時から課題として縄跳びに取り組んでおり、3年間続けることで大きな成長がみられます。年少児の前跳びの平均は8回ですが、年長児の平均は54回。最高記録が200回を超えることも珍しくありません。縄跳びの課題には家族で挑戦されるご家庭も多く、ダイエットになった!などの声も聞かれます。また、体幹の強化に加えて、リズム感のアップ、心肺機能の向上、集中力の持続といった効果もあります。毎日公園に出かけて全身運動を行うことが理想ですが、狭い場所でも縄跳び1本で体を鍛えられるのでおすすめです。
 体幹が強くなると集中力が高まるのはもちろん、体全体の筋肉を効率的に動かせるようになるため、疲れにくくなります。さらに、内臓が正しい位置に保たれ、代謝が活発になり、風邪をひきにくくなるといった効果も。逆に体幹が弱いせいで友達との遊びについていけないとなると、心の成長にも影響します。体幹を鍛えることで自分の思うままに体が動かせるようになり、自信が生まれて積極的になります。日常生活のなかで「体幹」を意識した生活をしてみてください。きっと嬉しい結果が体感できますよ。

帝塚山学院幼稚園では未就園児の皆さまに
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